東京の空

東京の空


東京の空 東京の空
エレファントカシマシ エピックレコードジャパン エピックレコードジャパン 宮本浩次
1994-05-21 
¥ 2,854

エレファント カシマシ 5
生活
浮世の夢
エレファント カシマシ II
町を見下ろす丘

■この世は最高! 評価5 日付2007-12-25
彼らのアルバムの中でも、均整がとれたアルバムと言えると思う。逆にこれが売れなかったから、別な形でバランスがとれなくなるわけではあるが。

ストレートで聴きやすいロックンロール。「珍奇男」の浪曲さながらの音楽性から揺り戻しをかけた形である。しかし邦楽最高峰と言っていい歌詞は相変わらず、素晴らしい。曲さえ良ければあとこのバンドに怖いものなし。鬼才・宮本の強烈な個性とバンドサウンドで押しまくる。とくに前半は完璧。90年代という時代には多少似つかわしくない音だが、聴く者を圧倒する力がある。

バブルの「浮世」に喝を入れた、あの徹底的な時代への抵抗は感じられない。なにせ1曲目は「この世は最高!」。とはいえ時流には飲み込まれないのがこのバンドの持ち味でもある。トランペットをフィーチャーした大曲「東京の空」(これは名曲)を叙情的に唄いあげることのできるバンドだ。『生活』なんかと比べれば、これは大した差である。このあたりにもバランスの良さがある。


この快作がなぜ売れなかったか、それは同年、時代を席巻した小沢健二の『Life』なんかと比べれば一聴(!)瞭然だろう。この後、エレファントカシマシは一層甘美さを追求するようになる。
■あなたはどうですか? 評価5 日付2007-02-05
 CDのジャケット、歌詞カードのもあるようにおそらく宮本自身がこのアルバムの無限の可能性を信じきっていたのだろうし、惚れ込んでいたのだと思う。もちろん俺もそうだ。
 デーデというビッグバンで生まれ出でたエレカシは暗い暗黒の世界で大きくなり続けた。もちろんこの時期のアルバムも天才的だと俺は思っている。「生活」「浮世の夢」なんかはもう涙が溢れてくるほどだ。
 そしてこの「東京の空」。
 奴隷天国で猛ダッシュの助走をとったエレカシは、東京の空高く舞い上がった。
 セールスがぱっとしなかろうが、万人に受け入れられなかろうが、これは日本ロック史上、不滅の名盤である。
 俺は聞いた。そしてはまった。
 あなたはどうですか?
■男になろうとする少年の姿 評価4 日付2006-12-05
発売当時の感想〜
エレカシ、随分ポップになったな。それでいてしっかりロックアルバムだ。歌詞も前向きで素晴らしいアルバムだ!

12年経っての感想〜
荒々しい。まだ殻を破ってないなあ。

発売当時は最高傑作と疑いもしなかったのに、今聴くとどこか中途半端なのである。
それは、ブレイク後のエレカシが日和すぎて違和感を覚えつつも、徐々にシフトチェンジしていってその結果、現在がとても素晴らしいバンドとなったからである。

そう考えるとこのアルバムは、エピック時代最後のアルバムというより、外へ向かって歩き出したエレカシの第一歩という感じがする。
男になろうとする少年の姿が、そこにはある。
■個人的エレカシ最高傑作 評価5 日付2006-08-10
1stアルバムで聴く人全ての度肝を抜いたであろうエレカシ。ルックス冴えない、愛想無い、一般受けしないと負の要素ばかりだったにも関わらず、「卓越した楽曲の素晴らしさ」と「ほとばしるような情念」との融合で瞬く間に熱狂的な信者を獲得していった。
しかし、2nd・3rdと進むにつれ楽曲よりも情念の濃さばかりが目立つようになり、4thの『生活』に至っては最早完全にライトなリスナーを置いてけぼり。勿論素晴らしい曲も多いのだが、明らかに気持ちばかりが先行して詩と曲が噛み合っていない感がありあり。伝えたいことが上手く表現できず宮本はイライラ、売り上げ芳しくなく事務所もイライラ。正にBLUE DAYS、泥沼状態であった。
大傑作アルバム『東京の空』はそんな中で生まれた。このアルバムもそれほどのセールスは上げられなかったようで結局エレカシは事務所を首になってしまうのだが、それでもこのアルバムが日本ロック史上に燦然と輝く名作であることは疑う余地が無い。天才・宮本の魂と極上のメロディが初めて完璧に近くシンクロしたのだから、素晴らしくならない筈が無い。第一、唄っている宮本自身が本当に楽しそうである。「そうだよ、俺はこういうのがやりたかったんだ!」―そんな宮本の声が聞こえてきそうな気さえする。エレカシの良いエッセンスが全て凝縮された捨て曲一切無しの奇跡のようなアルバム。興味を持った方は是非、聴いてみてください。全身全霊をもってお薦め致します。
■日本ロック史に残る名作 評価5 日付2005-08-24
'94年作、エピックソニー時代最後の作品です。あまり売れなかったようで、これを最後にソニーとの契約も切れてしまいました。次作「ココロに花を」で大ブレイク、大復活を遂げるのですが、ソニー時代とは別バンドと考えた方がよいでしょう。私はどちらの作品も大好きですが、どちらかと聞かれれば、こちらですね。タテのりパンクナンバーはそれほど多くはなく、2、5、7のような哀愁漂うフォーク調なメロディや4のようなRCサクセション風の曲、タイトル曲の前衛的とも言える曲、そしてラストのプログレッシヴでサイケデリックな凝ったナンバーなどエレカシの全てが詰まったようなアルバムです。特にラストはエレカシのルーツである、ツェッペリン、ビートルズ、'70年代ブリティッシュロック、日本のフォークが見事に融合されており、日本のロック史に残る名曲だと思います。そしてどの曲も詞において、当時の宮本の多面性が窺えて興味深いです。激しい自己嫌悪を持つ、やり場のない怒りを持つ宮本、ヤケクソ破滅型人間としての宮本、一方でロマンチストとしての宮本、友情賛歌、人生賛歌もありの人間としての、男としての彼が100%表現されています。評価されようがされまいが、日本のロック史に残る作品だと確信します。
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