バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)


バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音) バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)
グールド(グレン) ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル グールド(グレン)
2004-11-17 
¥ 1,680

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年モノラル録音)
ブラームス:4つのバラード、2つのラプソディ、間奏曲集
モーツァルト:ピアノソナタ集
バッハ:平均律クラヴィーア曲集
バッハ:イタリア協奏曲

■グールドの鼻歌が気になる 評価4 日付2008-06-13
この再演の素晴らしさについては、40件を超えるカスタマーレビューに詳しいので蛇足を省くとして、演奏中のグールドの声については1件のレビューにおいてしか触れられていないのは、不思議だ。実は、この声が耳につく。ピアノよりも声のほうに注意が向いて、うるさく感じられるときもある。デジタル録音だから、この声を消せないものかと思うほどだ。臨場感があっていいと感じられる人もあるかもしれないが、私には耳障りな鼻歌に聞こえるのです。
■20世紀最高にして最後のピアニスト 評価5 日付2008-06-10
私はグールドの事を語るとするならば、間違いなくタイトルどおりの事を述べるだろう。また、そう思う人も少なからずいるはずである。その根拠は当アルバムに示されている。そして同時にこの再録音されたゴルトベルク変奏曲によって彼がこれまで築いてきたバッハ演奏における解釈(バッハの音楽とは何か?)がここでようやく答えとして出たことになる。当アルバムからイメージされるのは鳥かごから解放された小鳥が自由に飛び回っていくシーン。これはまさにグールド自身をさしてはいないだろうか。彼がなぜ、数あるバッハの作品からこの曲を選んだのかそれは当アルバムを何度も聴くことで答えがみえてくるだろう。これから先もう出ててくる事がないであろう、天才音楽家の演奏を当アルバムで堪能してみてはいかがだろうか?はじめてクラシックを聴く方には特におすすめしたい一品である。
■二つのゴルトベルクは混ざり合い心の中の一番奥にしまわれる 評価5 日付2008-04-23
グールドはゴルトベルク変奏曲で現れ、ゴルトベルク変奏曲で逝った人である。そのグールドのどちらのゴルトベルク変奏曲が優れているかなどを考えることははっきり言って得難いすばらしい感動を半分でやめてしまうに等しい愚行だ。両方を一生涯所有し、その素晴らしい演奏の及ぼす効用と癒しを感受するのが正しい選択だ、と僕は思う。

最初のゴルトベルク(1955年6月)。

長い長い沈黙と暗闇の向こうに鳴っているこの音楽は、ハンニバル・レクターが大きな鉄格子の隔離から脱出するシーンでも流れている。あれは、間違いなくグレン・グールドの手によるものだ。時々、グールドの唸り声が混ざる演奏を聴けば聴くほど、この曲はまさに彼のためにあったのだと思えてくる。 彼の声というのは何となく悩める者たち、抑えきれぬ憤怒に己を抑えられぬ者たちの声のように聞こえてくる。怒りも悲しみも全てそこに混ざり、癒される為に広げられたような錯覚を僕は覚える。

最期のゴルトベルク(1981年4月・5月)。

弾けんばかりの演奏は最初のゴルトベルクをかき消さんばかりの演奏である。既に持っている最初のグールドのゴルトベルクという概念は、この新しく深化した解釈と融合し、心をより強くなるように誘導してくれる。最初の演奏よりずっと長いこの演奏は音もはるかにクリアで深い傷を少しずつ癒していく感じだ。クリアな傷にクリアな音。二つのゴルトベルクは混ざり合い心の中の一番奥にしまわれる。

いずれ劣らない僕には不可欠の演奏だ。 どちらも一生のうちに何千回と聴くだろう。この2つのゴルトベルク変奏曲を一生聴くことがない人生は、生涯所有し聴き続けられる人生より不幸だ、と断言しよう。
■スタンダード中のスタンダード♪ 評価5 日付2008-04-17
小説『羊たちの沈黙』で、レクター博士が逃走の直前、静かに聴いていたのがグールドのゴールドベルクである。

グールドのゴールドベルクのスタジオ録音盤は2種類ある。
若き挑戦者の『攻撃は最大の防御』的な戦法ながら、今日の視点から見ると意外とスキだらけの初録音盤とは異なり、この再録音盤は、攻守とも最高級の芸術品である。チャンピオンの貫禄。
では、レクターはどっちを聴いていたのか?それは読者の想像に委ねられる。

さて。この曲に関して、私は先にP.ゼルキンやシフの録音(2人とも初録音の方)を聴いたのだが、実にツマラナイ曲だと思った。
しかし、3番目に当録音を聴いて、一気に面白い曲だということが分かった!
不思議なことに、グールドを踏まえて、シフやゼルキンの録音を改めて聴くと、彼らのやっていること、やりたいことがよく解るようになっていた。
私の耳が鍛えられたというよりも……。

呪縛。彼らにとって恐らくグールドの再録音盤は呪縛だったのだろう。
グールドが引きずり出して見せた、この曲に潜む魔力には抗えないが、グールドを越えるのは至難の技。
それに、亜流と呼ばれたのでは意味がない!ならば、俺はどう弾く?
もがくような思いが彼らにはあったのではないか。
(今では彼らも、独自のゴールドベルクを奏でているのが嬉しい)。
現代の若手にとっても、この曲を弾く際、意識せざるをえないスタンダード盤である。
シェプキンやシュタットフェルトの爽演も、グールド抜きには語れまい。

なお、同じ演奏のDVDも出ているので、興味のある方はそちらもどうぞ。
映像版を基本として部分的に録り直しをしているのが当録音のようだ。
録り直しと言っても、例えば、身振りでピアニシモを表現した箇所を、音だけのピアニシモに込めたりするような意味合いの修正。
身振りのピアニシモ+音のピアニシモだと、クド過ぎる…という判断らしい(笑)。
■天才グールド究極の名演奏! 評価5 日付2008-04-06
私はクラシック音楽を10年以上聞き続けてきたがグールドのゴルトベルク変奏曲ほど衝撃的で心を揺さぶるピアノ演奏はいまだかつて聞いた事がない。とにかく聞き手はひたすらグールドの指先から奏でられる魔法の音ひとつ、ひとつに圧倒されるのだ。そこには難しい音楽的知識など一切不要だ。ただ純粋に音を楽しむ。そう気付かせてくれる究極のアルバムである。
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